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二次創作を中心に活動する「miyabihime」のSS置き場。無断転載や複写・プリントアウトはご遠慮ください。

プロフィール

綾雅&秘姫

Author:綾雅&秘姫
GWに魅せられ、早23年!
2×1万歳!!

*更新履歴*

GW21 BSR503 etc 2019/07/02
 
かごの檻【24】
2019/06/28
 
かごの檻【23】
2019/06/24
 
かごの檻【22】
2019/04/25
 
かごの檻【21】
2019/04/23
 
かごの檻【20】
2019/04/04
 
かごの檻【19】
2019/03/07
 
かごの檻【18】
2019/02/23
 
かごの檻【17】
2019/01/29
 
かごの檻【16】
2019/01/16
 
かごの檻【15】
2019/01/12
 
かごの檻【14】
2019/01/01
 
年末年始【3】
2018/12/31
 
年末年始【2】
 
年末年始【1】
2018/12/30
 
かごの檻【13】
2018/12/24
 
2018クリスマス
 
かごの檻【12】
2018/12/23
 
かごの檻【11】
2018/12/03
 
かごの檻【10】
2018/11/30
 
かごの檻【9】
2018/08/24
 
愛執【36】完
2018/08/17
 
愛執【35】
2018/08/07
 
愛執【34】
2018/08/01
 
愛執【33】
2018/07/28
 
愛執【32】
2018/07/27
 
愛執【31】
2018/07/08
 
愛執【30】
2018/07/05
 
愛執【29】
2018/06/09
 
愛執【28】
2018/06/02
 
愛執【27】
2018/04/14
 
愛執【26】
2018/04/10
 
愛執【25】
2018/04/07
 
愛執【24】
2018/04/04
 
愛執【23】
2018/04/01
 
愛執【22】
2018/03/30
 
愛執【21】
2018/03/28
 
愛執【20】
2018/03/25
 
愛執【19】
2018/03/22
 
愛執【18】
2018/03/19
 
愛執【17】
2018/03/15
 
愛執【16】
2018/03/14
 
愛執【15】
2018/03/13
 
愛執【14】
2018/03/11
 
愛執【13】
2018/03/09
 
愛執【12】
2018/03/08
 
かごの檻【8】
2018/03/05
 
愛執【11】
2018/03/01
 
かごの檻【7】
2018/02/26
 
愛執【10】
2018/02/25
 
かごの檻【6】
2018/02/24
 
かごの檻【5】
2018/02/22
 
愛執【9】
2018/02/21
 
かごの檻【4】
2018/02/18
 
愛執【8】
2018/02/13
 
かごの檻【3】
2018/02/10
 
愛執【7】
2018/02/09
 
かごの檻【2】
2018/02/06
 
愛執【6】
2018/02/05
 
かごの檻【1】
2018/02/02
 
愛執【5】
2018/02/01
 
司祭堕天使【45】完結
 
司祭堕天使【44】
2018/01/31
 
司祭堕天使【43】
2018/01/30
 
愛執【4】
2018/01/28
 
司祭堕天使【42】
2018/01/21
 
愛執【3】
2018/01/16
 
司祭堕天使【41】
2018/01/10
 
愛執【2】
2018/01/07
 
司祭堕天使【40】
2018/01/06
 
愛執【1】
2018/01/05
 
司祭堕天使【39】
2018/01/01
 
2018新年SS
2017/12/31
 
2017年末SS
2017/12/30
 
司祭堕天使【38】
2017/12/29
 
司祭堕天使【37】
2017/12/27
 
司祭堕天使【36】
2017/12/24
 
2017クリスマス【2】
 
2017クリスマス【1】
2017/12/23
 
司祭堕天使【35】
2017/12/18
 
司祭堕天使【34】
2017/12/16
 
司祭堕天使【33】
2017/11/28
 
司祭堕天使【32】
2017/09/15
 
幻影【20】完
2017/08/30
 
幻影【19】
2017/08/25
 
幻影【18】
2017/08/21
 
幻影【17】
2017/08/07
 
幻影【16】
2017/08/05
 
幻影【15】
2017/08/02
 
幻影【14】
2017/08/01
 
幻影【13】
2017/06/16
 
司祭堕天使【31】
2017/06/06
 
幻影【12】
2017/05/27
 
幻影【11】
2017/05/20
 
司祭堕天使【30】
2017/05/11
 
幻影【10】
2017/05/07
 
司祭堕天使【29】
2017/05/05
 
司祭堕天使【28】
2017/05/04
 
幻影【9】
2017/04/30
 
幻影【8】
2017/04/20
 
司祭堕天使【27】
2017/04/03
 
幻影【7】
2017/03/12
 
司祭堕天使【26】
2017/03/10
 
幻影【6】
2017/03/04
 
幻影【5】
2017/02/23
 
司祭堕天使【25】
2017/02/17
 
幻影【4】
2017/02/12
 
司祭堕天使【24】
2017/02/11
 
幻影【3】
2017/02/10
 
司祭堕天使【23】
2017/02/04
 
幻影【2】
2017/02/02
 
司祭堕天使【22】
2017/02/01
 
幻影【1】
2017/01/29
 
司祭堕天使【21】
2017/01/26
 
司祭堕天使【20】
2017/01/25
 
司祭堕天使【19】
2017/01/24
 
司祭堕天使【18】
2017/01/23
 
司祭堕天使【17】
2017/01/18
 
司祭堕天使【16】
2017/01/15
 
司祭堕天使【15】
2017/01/12
 
司祭堕天使【14】
2017/01/10
 
司祭堕天使【13】
2017/01/08
 
司祭堕天使【12】
2017/01/06
 
司祭堕天使【11】
2017/01/05
 
司祭堕天使【10】
2017/01/01
 
新雪
2016/12/31
 
司祭堕天使【9】
 
捕獲
2016/12/30
 
災難
2016/12/26
 
篭城
2016/12/25
 
雪原
2016/12/22
 
司祭堕天使【8】
2016/12/13
 
司祭堕天使【7】
2016/12/11
 
司祭堕天使【6】
2016/12/06
 
お題【7-10】完結
2016/12/04
 
お題【7-9】
2016/11/30
 
お題【7-8】
2016/11/29
 
お題【7-7】
2016/11/27
 
お題【7-6】
2016/11/25
 
司祭堕天使【5】
2016/11/23
 
司祭堕天使【4】
2016/10/29
 
司祭堕天使【3】
2016/10/18
 
司祭堕天使【2】
2016/10/12
 
司祭堕天使【1】
2016/10/11
 
通販開始
2016/05/02
 
お題【7-5】
2016/04/19
 
お題【7-4】
2016/04/09
 
お題【7-3】
2016/04/08
 
お題【7-2】
2016/04/02
 
お題【7-1】
2016/03/20
 
バレンタインSS
2016/03/05
 
お題【10】
2016/03/04
 
神に2【5】
2016/01/25
 
神に2【4】
 
お題【9】
2016/01/01
 
お正月【1】
 
お正月【1】
2015/12/31
 
年末【1】~【6】
 
年末【1】
2015/12/24
 
クリスマス【1】
 
クリスマス【1】
2015/07/01
 
お題2【8】
2015/06/17
 
お題2【7】
2015/04/28
 
お題2【6】
2015/04/27
 
お題2【5】
2015/04/24
 
お題2【4】
2015/04/22
 
お題2【3】
2015/04/21
 
お題2【2】
2015/4/18
 
お題2【1】
2015/4/17
 
モノカキお題【80】完
2015/4/16
 
モノカキお題【79】
2015/4/15
 
モノカキお題【78】
2015/4/14
 
モノカキお題【77】
2015/04/02
 
【岩今】0402
2015/03/24
 
モノカキお題【76】
2015/03/22
 
とうらぶ【岩今】
2015/03/21
 
モノカキお題【75】
2015/03/20
 
モノカキお題【74】
2015/03/19
 
モノカキお題【73】
2015/03/18
 
モノカキお題【72】
2015/03/16
 
モノカキお題【71】
2015/03/09
 
小題【6-7】完
2015/03/08
 
小題【6-6】
2015/03/04
 
小題【6-5】
2015/03/02
 
小題【6-4】
2015/02/28
 
小題【6-3】
2015/02/27
 
小題【6-2】
2015/02/26
 
小題【6-1】
2015/02/24
 
小題【5-7】完
2015/02/23
 
小題【5-6】
2015/02/22
 
222の日SS
2015/02/21
 
221の日SS
2015/02/01
 
小題【5-5】
2015/01/24
 
≪2015正月≫
 ついったSS
2014/12/31
 
≪2014年末≫
2014/12/25
 
≪2014クリスマス≫
2014/12/04
 
小題【5-4】
2014/09/29
 
ついったSS
 
ついったSS
2014/09/23
 
9/21新刊通販開始
2014/09/19
 
9/21新刊情報UP
2014/07/31
 
小題【5-3】
2014/07/27
 
小題【5-2】
2014/07/24
 小題【5-1】
2014/07/22
 
ついったSS
2014/06/22
 
小題【4-4】
2014/06/20
 >小題【4-3】
2014/06/19
 
小題【4-2】
 
ついったSS
2014/06/18
 >小題【4-1】
2014/06/17
 
モノカキお題【90】
2014/06/16
 >ついったSS
2014/05/26
 
ついったSS
 
ついったSS
2014/05/21
 >ついったSS-2
2014/05/18
 
ついったSS
2014/03/19
 エラー修正
2014/03/06
 モノカキお題【89】
2014/03/05
 サイトデザイン変更
 スマホ対応ページ
 旧携帯ページ廃止
2014/01/01
 >年始SS
 >年始SS
2013/04/16
 >モノカキお題【88】
2013/02/12
 >神に2【3】
2013/02/08
 >モノカキお題【87】
2013/01/02
 
年始SS
 
年始SS
2012/12/31
 年末SS
 年末SS
2012/12/25
 
X'mas企画
 
X'mas企画
2012/12/01
 
モノカキお題【86】
2012/08/19
 モノカキお題【85】
2012/07/23
 モノカキお題【84】
2012/06/20
 
モノカキお題【83】
2012/06/14
 
モノカキお題【82】
2012/06/09
 
モノカキお題【81】
 
61000【2】
2012/06/08
 
61000【1】
2012/05/03
 
春雨
2012/04/12
 サイト内URL一部変更
 裏pass統合、変更
2012/04/04
 
ヴィーナス【6】
2012/04/03
 
幸せ家族計画
2012/03/22
 
白の記憶【10】
2012/03/15
 
白の記憶【9】
2012/03/11
 
白の記憶【8】
2012/03/09
 
白の記憶【7】
2012/03/04
 
白の記憶【6】
 
桃の節句
2012/02/23
 
白の記憶【5】
2012/02/22
 
猫の日
 
猫の日
2012/02/17
 
白の記憶【4】
2012/02/14
 
早めの桜
 
ちよこれいと
2012/02/13
 
白の記憶【3】
2012/02/12
 
白の記憶【2】
 
海の向こう
2012/02/11
 
手錠【3】
 
白の記憶【1】
2012/02/08
 
神に2【2】
2012/02/05
 *お知らせ
 
90000GET申告受付
2012/01/24
 
手錠【2】
 
ヴィーナス【5】
2012/01/23
 
手錠【1】
2012/01/20
 
神に2【1】
2012/01/03
 
2010-2011年末年始
 2010-2011年末年始
 2009-2010年末年始
2012/01/01(11時UP)
 
新年SS
 
新年SS

~ 2009/09/04
 *日記の引越し

2009/09/02
 *モノかき100題【62】

2009/08/31
 *SNSスタート! 2009/08/30
 *モノかき100題【61】
 *リニューアル一段落

2009/08/26
 *リニューアル開始
 *SS凍結解除
 *SSブログリンク解除
2009/08/21
 *49210GET【20】完結
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2009/08/20
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2009/08/19
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2009/08/18
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2009/08/14
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2009/08/13
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2009/08/11
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2009/08/09
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2009/08/08
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2009/08/07
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2009/08/06
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2009/08/05
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2006.05.27

category: 頭文字D

獣心 【4】

 こんなのは愛情じゃない。
 奪うだけの関係など、最初に望んだ気持ちと正反対なのだと・・・・・・気付いていた。



 ただ、これだけは真実―――愛してる。
 それは許される為の謝罪になりうるのか? "
 どんなに問い詰められても平気だって思ってた。だって、信じてくれてるから、オレに謝罪のチャンスをくれんだろ?
 でも・・・違ったのか?!
 なぁ、アニキ。オレは言い訳する暇も謝るチャンスも与えてもらえない。
 その程度の存在で―――その程度の気持ちしか?
 オレが思ってるほど、アニキはオレを好きじゃなかったって―――要は そういうことだよな・・・。

 動きを止めたアニキの重さを押しのけようと、必死で腕を突っ張る。
 掴まれていた左手首を振り解いた拍子に、爪は兄の腕を傷つけた。 メチャクチャに腕を振り回して、アニキを何度か殴ったかも知れない。 ベッドの端に打ちつけた腕、暴れえた拍子に頭を何かにぶつけた。
 抑え付けようとするアニキに逆らって、とにかくがむしゃらに暴れ続け、 ふっと緊張の糸が切れた。
「啓介・・・・啓介!?」
 こんなに切羽詰った声で呼ばれた記憶なんて、そうはない。だけど、オレにそう気付く余裕はなかった。
「・・・・なせよ・・・離せぇ、っ!」
 涙が溢れて、さらに気が高ぶる。一度叫んでしまえば、もう我慢なんて利かなかった。
「触、・・んじゃねぇよ・・・・ッ」
 アニキがオレを嫌いなんだとしたら、徹底的に関係を壊してしまえばい いんだ。もう、構おうなんて思われないくらい、完全に! そうすれば、こんなに痛い思いをしなくて済む。躯の痛みなんて一瞬で
この心の傷みはきっと―――もう治らない。



 何かを諦めたように、啓介は突然抵抗を止めてしまった。 そっと腕を抑え付けても、もう暴れる様子はない。啓介の腕の引っかき傷に接吻け、滲んだ血を舐めて清めた。
 啓介を酷く傷つけてしまったのは―――嫌でもわかる。繊細な弟だと 知っていたのに・・・・・・。 誰よりも幸せにしてやりたいと思う傍らで、貪って自分の中で消化してし まいたい衝動に駆られる。
 獣の愛し方だと・・・・それは人間の与える愛情ではないと気付いていて 逆らう術を持たない。 まるで・・・・・そう、俺自身が獣のようだ。
「っ、くっ、・・・」
 おかしくなって喉を鳴らして笑う。
 「獣のよう」ではなく「獣そのもの」ではないか?
 実の血の繋がった弟を愛し、貪り、求めて、抱きあう。誰よりも大切だと言いながら、逆に傷つけて・・・傷つけた事実に満足して、啓介の中で の自分の位置を確認する。 夢中になってしまう自分の中の子供を、抑えきれなかった。結果が・・・・ この状態・・・・・?
「啓介・・・・」
 名を呼んで接吻けても、啓介はぼんやりと天井を見つめているだけ。
 彷徨うことすら忘れた視線を遮るために、俺は啓介の頬を強く張った。 1度、2度、3度目にようやく啓介の目に光が戻ってくる。
「・・・・アニキ・・・?」
「啓介、愛してる」
 乾いた唇が呼んだことにほっとしながら、愛を囁く。叫んでかさかさに荒 れた唇を潤すように、何度も舐め上げてから接吻けた。 舌を絡めて、吸い上げ、啓介の声も吐息も奪うまで―――。
「っ・・ふ、ぅ・・・・・んン・・」
 漏れる甘い嬌声を思う存分味わい、ゆっくりと唇を離しながら・・・名残 惜しさに濡れて潤った唇を舌で辿った。

「どぅ・・・・・て?」
 零れた小さな問いを今度はきちんと聞き取れた。
「啓介?」
 ふわっと涙が滲んでくる啓介の目を正面から見つめ、溢れる涙を指で そっと拭ってやった。
「何を泣くんだ?啓介」
 兄の優しい仕草に途惑う啓介は、白くなるほど唇を噛んだ。
「だ・・って・・・・、アニキ・・・」
 小さく、泣きながら声を漏らす。啓介の言葉の続きが欲しくて、俺は微 笑みで先を促した。
「・・オレ・・を・・」
 そこで再び口を噤む。 弟のそんな姿に、なぜか続きを聞いてはいけない気がした。聞かない方 がいいのだ、きっと。
「・・・・・・・・言わなくていい。俺が悪いんだ」
 囁いて唇を塞ぎ、胸元を指先で辿る。さっきまでの性急な愛撫とは裏腹に、優しく優しく・・・・・・・・・・。 流れつづける啓介の涙を舌で拭いながら、言葉ではなく体で気持ちを伝えていく。

 言葉ほど簡単に裏切る存在を他に知らない。 信用できない言葉などに、啓介への愛を乗せても・・・伝わる筈がないの だ。誤解はそこから生まれる。
 体で伝える愛に、きっと啓介なら気付けるから。 同じ遺伝子と血を分けた存在なら、俺の持つ獣の心すら受け止めて・・・ 浄化してくれるだろう。

 慰める為の指先が脇腹を伝い、抵抗しない啓介の躯をゆっくりと高めて いく。ほのかに桜色に染まる肌を目で楽しみながら、先日つけた赤い痕を辿って接吻けた。
 訪なうキスを受け止める啓介の表情が少しだけ、和らいだ。 受け止めてくれているのだと、そう解釈して愛撫を深める。さっきの無茶の所為で、啓介の内腿に赤い血が伝っていた。
啓介自身を指で愛撫しながら、自らも持つ同じ血を舐め上げる。ゆっくりと、舌の動きでさえ啓介を翻弄する為。
「愛してる・・・・・お前だけだ」
 そう告げてしまう自分の弱さに、吐き気すら覚える。言葉は裏切るのだと誠実ではないのだと知りながら、それでも告げずにいられない。 まるで溺れるものがわらを掴むように・・・救いを求めずに愛せないのか。



 アニキの指が優しい。
 さっきまでの暴力が・・・強姦って表現が似合うくらいの激情が嘘みたい だ・・・・けど―――これが「アニキ」だ。 オレが好きになって、オレを好きになってくれたアニキ。
 言葉なんて要らない。 どうせ信じられないから、聞きたくもない。 思ってる気持ちは本当なのに、でもアニキの言葉を聞いてしまう。その甘い声で名を呼ばれることが嬉しい。
 ・・・・・・・・・・・バカだよな。
 裏切られたって思った傍から、また・・・・・・騙されるのか?
 それでも構わないとさえ思うのは、オレがアニキを愛してるからだよ。 どんなに酷い目に合わされても、きっと今みたいに許してしまう。アニキの優しい眼差し、甘い声、そっと触れる指先・・・・それらが現実なら・・・オレは許してしまうんだろう、何度でも。

 浮気なんて出来る筈がないだろ? オレはこんなにアニキに縛りつけられて・・・だって、逃げようと思ったこともないんだ。逃がしてくれると言われたら、絶対に泣いて縋ってみっともなく振舞う。オレを自由にするのは、優しさなんかじゃないから。
 残酷なだけの現実に、独りで放りだされるくらいなら―――消えてしまいたいって、そう思う。普通じゃない、自分でもわかってるけど・・・・だけどアニキの手のひらの上で踊るくらいの自由が、オレにとって一番居心地がいい場所――安心できる空間なんだぜ?

 内股をぬめる存在が流れていく。アニキにも流れてる同じ遺伝子をもつ血が、きっと真っ赤に帯を引いてるんだろう。
 他人から見れば醜く、きっと信じられない関係―――誰もが否定し、非難する。祝福はありえない関係だと知っていても、離れられない。 離れたら・・・・息が止まってしまう。
「啓介・・」
 誰にも真似できない声で、イントネーションで呼ばれる。甘く背筋を走る声が響いて、オレの中を侵食していく。
「あ・・・アニキ」
 舐め取られる血が、アニキの中でどんな意味を持つのか。
 ただオレには舌の辿る場所から湧き上がる快感が、すべてだ。
「愛してるぜ、啓介・・・・」
 囁かれた言葉は嘘かも知れない。今は本当でもいつか、嘘になって・・またオレは裏切られて独りになるのかも・・・・・。それでも、この手を離せない。今も未来も過去も、いつだろうと同じ状況で同じようにアニキの手を取るだろう。
「・・・オレ、も・・・あぃ、し・・てるッ」
 飛んでしまいそうな意識を叱咤しながら、必死で繋いだ真実。
「啓介、お前だけだ・・・・・」
 傷つけられた最奥を舌がつつく。何度も触れては離れ、ゆっくりと癒すように優しく舌が訪なった。
アニキの謝罪の意図が伝わってきて、信じてもらえた事実が嬉しくて・・泣きたくなった。
「きて、くれよ・・アニキ」
 散々泣いた喉は声も掠れて、辛いだけ。傷ついた躯も、休息を求めるかのように怠く、眠りを欲していた。それでも、今でなくてはダメなのだ。今抱かれて感じられなければ、現実を信じられなくなってしまうから・・・・・・・。



 掠れた声で誘う弟に微笑み、俺は頷く。肯定してやらなければ、啓介は俺を疑うのだろう。正確には俺の気持ちが「現実」だと信じる為に、必要なのだ。不器用な奴だと思う。だが、それは自分も同じで・・・・。
「辛かったら・・・泣け。抱きしめてやる」
 言外に「辛くてもやめない」と伝えれば、啓介は見惚れるような笑みを浮かべて見せた。
 血で濡れて滑りの良くなっている秘所に、ゆっくりと指を押し進める。
「ぅ・・・ッ」
 唇を噛んだ啓介の表情は、容易に痛みを感じ取らせる。一瞬の躊躇、見抜いたように、啓介は躯を摺り寄せてきた。俺の首に回した腕で引き寄せられ、苦笑して接吻けた。
 指を増やし、左手で啓介自身を愛撫する。啓介が感じるポイントを知り尽くした愛撫で、耳や首筋などに舌を這わせた。
「・・・ぁ、はぁ、・・・ッ」
 啓介の声にようやく艶が戻る。普段聞かせてくれる声に負けず劣らない声は、俺の中の獣心を満足させた。征服欲を掻き立てる啓介を貪り尽くす為に、高ぶった自身をそっと当てがう。啓介の躯がびくりと震え、蕾はまるで拒絶するように窄んだ。
「・・・啓介」
 深呼吸する弟のタイミングを見計らって、一気に奥へと侵略した。途中で躊躇うことのないよう、一気に突き進んだのは・・・痛みに竦んだ啓介に締め付けられて動けなくならないように、だ。
「ァ・・・ア・・・あぁあぁぁ、ッ」
 潤んでいた目から涙が零れ落ちる。溢れる涙を唇で掬い取りながら、弟の汗に湿った前髪を指で絡めた。
「啓介、動くぞ」
 情欲が滲んだ声は、がっついている自分を嫌でも自覚させる。
「ん・・・・っ、あぁ」
 少しずつ痛みを追い出すことに成功したらしい、啓介は俺の動きに応えて動き出す。収縮する内壁と啓介の嬌声に煽られ、左手の中に啓介の迸りを感じた瞬間・・・・中へと再び欲望を開放していた。



 ゆっくりと髪を梳いてくれていた兄の手を引き寄せ、啓介はそっと指に接吻けた。長い指は細くて、日に焼けることを忘れたように白い。
「啓介・・・疑って、すまなかった」
 謝る涼介の声を、啓介は胸に顔を埋めたまま聞いた。小さく頷くことで兄に了承を伝える。
「さっき、お前が自失していたのを見て・・・・残酷な自分を呪った・・」
 少し弱気な声がアニキらしくない―――啓介はゆっくりと首を横に振って涼介の言葉の先を遮った。
「オレ、アニキが・・・オレを嫌いになった、って・・・そう思った」
「そんなこと、ありえない!」
 強く否定してくれる涼介の気持ちが嬉しく、啓介は全身から力を抜いて頬を摺り寄せることで甘える。
「もう・・・大丈夫だよな?」
 啓介の質問の意図を正確に汲取り、涼介は微笑んで髪に接吻けた。
「ああ、大丈夫だよ」
「なら・・・いい・・・・・・」
 そのまま眠ってしまったらしい弟の髪を撫で続けながら、涼介は静かに目を閉じる。 眠る前に啓介が零した質問が、頭を過ぎった。
 俺たちの関係はもう、大丈夫だよな? 壊れたりしないよな?
 わかっていて確認してしまうほど、愛する啓介を不安にさせてしまった。 だが、何度もこういった状況になるかもしれない。危険性はいつでも潜んでいるのだ―――俺の中に。
 消えない「獣心」がある限り、幾度も繰り返す可能性は、ある。
「愛してる、啓介」
 唇だけで呟いたのは、言葉を信じられないからだ。でも・・・・・・・気持ちに偽りはない。

 どうやっても消せないなら、
 飼いならしてしまうしかないのだろう。

 ―――そして囁くのだ。
   「アイシテイルヨ」
       獣心は消えることなく、涼介の中で・・・・・・・・・・・・。

                                         the  End .
                       

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